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Audio Modeling × Leap Motion

物理モデリング音源だいすき!
独断と偏見によるびぼーろく的メモ
Diapason

基準となる中央のラの周波数を設定する。
現在の国際基準ピッチは440Hzだが、時代によって基準は変わる。
演奏する曲に合わせて選択する。

現代オーケストラでは多少高めのピッチを基準としている。(442~446Hz)
緊張感が出るがあまり高すぎると楽器にも負担がかかる。
432Hzを基準とすると癒やしの効果が得られるとされる。

Unison width

ピアノの中~高音域には僅かにチューニングが違う弦が3本張ってあり、 それを同時に叩くことで美しい響きや余韻を作り出している。
Unison Widthは3本の弦による最高周波数と最低周波数の差のパラメータで、 これを高めに設定すると、ラグタイムで用いられるホンキートンクの音色になる。(デフォルトでは1.00,範囲は0.00~20.00)

Grand Steinway Dのプリセットによると
Honky Tonk:12.00
Super Tonk:18.00

スライダー上を右クリックするとUnison Balanceも設定できる。


Unison Balanceは3本の弦による中間周波数についてのパラメータで、 最低周波数(-1.00)から最高周波数(+1.00)まででどこを中間にするか設定できる。(デフォルトでは0)
これにより高域か低域か、響き(特に残響)のどの部分が強調されるのか変わってくる。

Direct sound duration

ユニゾンやハンマーの値を変更すると、直接音の長さが影響を受ける。
0~5.00の範囲で持続時間を調整し、好みのもたつきに仕上げられる。

Advanced Tuning

右上にあるμボタンをクリックするとより詳細な設定ができる。



上の図はC3(ド)を鳴らした時に表示される。
円を半音ごとに12分割している。(中心に行くにつれ高音)
9倍音まで表示されている。(編集可能なのは8倍音まで)
ちなみに、C3の響きにはC4,G4,C5,E5,G5,A#5,C6,D6,...の倍音が含まれている。

左上のTemperamentからプリセットを選択する。
説明は下部に表示される。(例:バロック音楽に用いられました,キルンベルガー第3法,...)
調律師が開発した音源ならではで、音律についての専門的知識がかなり求められる。

Stretchは、弦を調和させるために1オクターブあたりどの程度チューニングを伸ばすかの項目。
全く伸ばしたくない場合はTemperament: flatを選択する。
Octave stretchingと同じパラメータである。
設定可能な数値は0.95~3.00。[Nat]はおそらく[Natural]。
高音域でオクターブ弾きしながら下の円に表示される黒線の位置を見ると分かりやすい。
デフォルト(1.00)ではString lengthに依存し、非調和ながら自然な挙動をする。
また、Harmonic Stretchingにチェックを入れると違いが顕著になる。

String tensionとFull rebuildクリックで切り替えられる。
String tensionは音色が弦の張力の影響を受けるため、張力が下がると響きが濁る。
Full rebuildは全ての弦が同じ音色になるように再設定するオプション。

Detune(Pro版のみ?)はNote Editと同じパラメータ。
Detuneパネルを開いたまま、Stretchの Transfer the stretching into Detune note-editを押すと、 どのような音程変化をしているかがよく分かる。

○をドラッグすると12音それぞれのチューニングができる。(数値入力も可能)

十二平均律(12分割)を基準として、
  • 緑: +1~49Cents
  • 橙: -1~49Cents

Centsの表記は左上のValuesから比率やHzにも変更可能。
また、Add new row(右クリック)から分割数も自由に設定できる。


微分音ピアノなど精密な調律ができる。

Voicing

弦を叩くハンマーに関する設定が多いため、先にそれについての知識を入れておくと理解が深まる。
下の動画がとても参考になる。(アップライトピアノ)

Hammer hardness

ハンマーのフェルトの硬さに関するパラメータが3つ並んでいる。

  • Piano(弱く, Vel:32)
  • Mezzo(適度, Vel:64)
  • Forte(強く, Vel:96)

対応するVel(打鍵速度,ベロシティ)によってそれぞれ硬度を設定できる。
設定可能な範囲は0~2.00で、数値が高ければ金属的で硬い音になり、 低ければ羊毛のマレットで叩いたような柔らかい音になる。

ただし、大音量で聴いたり非常に弱い演奏だとあまり変化が目立たない。

Spectrum profile

仰倍音の大きさに関するパラメータ。
設定可能な範囲は-15.00~15.00dB。

鍵盤を叩くと、弦の振動によりその基音の倍の周波数をもつ倍音が鳴り、
複雑に混じりあうことで豊かな響きが生みだされている。

このパラメータでは基音(1倍音)~8倍音までコントロールできる。

基音をC3とすると
倍音 1234 5678
音名C3C4 G4C5 E5G5 A#5C6

倍音成分が強いとノイズが強く聴こえる。特に、7倍音が強いとピアノから離れた音色になっていく。

1,2,4,8倍音のみを強めると、正弦波とビブラフォンが混じったような音色になる。
3,5,6,7倍音のみを強めると、金属音とハープが混じったような音色になる。 (デパートの屋上遊園地を彷彿とさせる音)

1~8のスライダーのうち、1のみを最大にし他を全て最小にすると、 正弦波に似た音が鳴る。(正弦波は基音のみで倍音をもたない)
また、逆にして倍音のみが強調されるとラジオを通したベルのような音が鳴る。

Hammer noise

文字通り、ハンマーが弦を叩く音の大きさを設定できる。
この音が大きければピアノが近くにあるように感じられる。
範囲は0.20~3.00。

右クリックでヒューマナイズの指定が可能。
最低・最高・平均値の3点を設定でき、鍵盤を叩くたびにランダムに数値が変化するので 機械的な要素が薄まる。



Strike point

ハンマーやマレットで叩く弦の位置を設定できる。
範囲は1/64.0~1/2.0。
打点が短いとキンキンとし、長ければボワボワとした音になる。
Hammer noise同様、右クリックでヒューマナイズの指定が可能。

Soft pedal

ウナ・コルダ(ソフト)ペダルの影響度を設定できる。
範囲は0~1.00。
ペダルを踏むと実際のピアノと同じように鍵盤が右にずれるのが確認できる。


このずれにより打弦数やハンマーの位置が変化し、音色は弱く柔らかく減衰も緩やかになる。 (アップライトピアノでは打弦数が同じのため音色は変わらない)

Soundboard

Impedance(インピーダンス,抵抗値)のパラメータ、ここでは響板が弦の振動を受け取ってから、 どれだけ増幅して音を出すかという比率のこと。
通常はインピーダンス=1.00。
設定可能な範囲は0.30~3.00。
この数値が高いほど音がよく伸びますが、ノイズも強調されてしまう。
逆に、低いとすぐ減衰し、ミュートしたようなポロポロとした響きになる。
プリペアードピアノ(弦に物を乗せることで響きを抑え金属的・打楽器的な音色にする)の再現が可能。

プリセットによると、
Hybrid: 2.00
Dreamy: 1.50
Jazz: 1.10
Bright: 0.95
Gentle: 0.95
Pop: 0.90
Tonk: 0.80~0.85
Duo: 0.80
Prepared: 0.50
Ruined: 0.50

Cutoffは、設定した地点より高い周波数を削るパラメータ。
高く設定すると、高い倍音(基音より高周波数で金属的)まで鳴る。
低く設定すると、倍音の大部分が削られ丸い響きになる。
設定可能な範囲は0.30~3.00。

Q factorは、倍音がどれほど速く減衰するかのパラメータ。
高く設定すると、高い倍音が速く減衰する。


String length

弦の長さは音色とチューニングに大きく影響し、
弦が短いほど振動しにくく倍音のずれが大きく非調和になり、ベルのような音色になる。
弦が長くなるにつれ、倍音のずれは急速になくなってくる。その違いは特に低音域で顕著。
設定可能な範囲は0.80~10.00m。
非調和のないピアノが理想的。
全長3mの巨大ピアノModel 370の再現もできそう。

Model 370をサンプリングしたNative Instruments社の音源THE GIANT

Sympathetic resonance

このパラメータでは、弦・響板・の共鳴度を設定できる。
共鳴は、非常に弱く鍵盤を押して音が出なくなった状態でいくつかの音をスタッカートで弾くと確認できる。
通常は1.00。
設定可能な範囲は0~5.00。

プリセットによると、
Cinematic: 1.50~1.80
Cabaret: 0.95~1.30
Jazz: 1.20
Under Lid: 1.00~1.10
Bright: 0.90~1.00
Gentle: 0.90
Dreamy: 0.90
Hybrid: 0.30
Duplex scale

このパラメータでは倍音の共鳴量を設定できる。
通常は1.00。設定可能な範囲は0~20.00。

Blüthnerには共鳴させるための4本目の弦(アリコート方式)が張ってあり、
それがより一層倍音を豊かにしている。
Blüthnerモデルのみ、パラメータがDuplex scaleではなくAliquot stringsになっている。



デュープレックススケールは、振動している弦の前後部分にも共鳴が起こるようにしたもの。
響きを豊かにする倍音は、大きすぎると鋭い音になってしまうし、
調律によってうなり(ヴォルフトーン)のように聴こえるため設定が難しい。

プリセットによると、
Cinematic: 1.50~1.80
Jazz: 1.00~1.20
Under Lid: 1.00~1.20
Cabaret: 1.00~1.18
Blooming

元々はスチールパン用に設計されたパラメータで、反応のひずみを再現し音色を特徴づける。
どちらかというとエレクトリックピアノや打楽器向き。

energyでは、アタックに含まれる倍音がどの程度低い位置から高い位置へ移動するかを設定できる。
倍音の変化によって、沸き立つような音が生成される。
範囲は0~2.00。

inertiaでは、倍音がどれほど速く移動するかの慣性を設定できる。
範囲は0.10~3.00s。